世界で猛威を振るっている新型コロナウィルスは、オイスカが活動を行う各国においても、人々の生活に深刻な影響を及ぼしています。日本以上の厳しい行動制限が強いられた地域も多く、今もなお活動が思うように進められない状況が続いています。 

不安や不自由な生活が続くなか、オイスカでは各地の現地スタッフと連携し、「今できる」取り組みについて考え、コロナ禍だからこその工夫を行いながら、各活動を継続するとともに、困窮する地域住民への支援や、感染拡大を防ぐための活動の輪を拡げています。 

 

新たな挑戦を行いながら、withコロナの時代を進む海外の現場の様子をお伝えします。

2021年

6月

01日

パンデミックと「子供の森」計画 inバングラデシュ

衛生物資の配布と併せて、感染対策を呼びかける啓発資料を配布。正しい感染予防に対する理解の普及に努めた
衛生物資の配布と併せて、感染対策を呼びかける啓発資料を配布。正しい感染予防に対する理解の普及に努めた

地域に寄り添い、

今私たちにできる支援

 長年「子供の森」計画の事業を進める中で、これほど子どもたちと会えなかった年はありません。活動地まで行くこともほとんどできない中、20年度は関係者の協力を得ながら、情報を集め、今できる活動を考えるところから始めました。結果として、地域ニーズに基づき、衛生物資の配布を行いつつ、感染予防の啓発活動を展開。不安を抱えながら過ごす人々が、少しでも安心して暮らせるよう支援を行いました。また、地域を通じて一部の児童生徒を対象に、苗木や野菜の種苗を配り、少しでも環境に対する意識付けを継続できるよう、家庭での植栽も進めました。

家で木を植えるのは初めて! と喜ぶ女の子
家で木を植えるのは初めて! と喜ぶ女の子

2021年

6月

01日

パンデミックと「子供の森」計画 inフィリピン

うち106校には、感染対策として、アルコー ル消毒液、石鹸、簡易手洗い場なども支援。
うち106校には、感染対策として、アルコー ル消毒液、石鹸、簡易手洗い場なども支援。

懸命に学ぶ子どもたちの

在宅学習を支援

フィリピンでは、感染拡大を防ぐため、2020年3月以降、全国的に学校が閉鎖。10月5日に再開されましたが、対面式の授業は見送られ、2021年5月現在も在宅学習が続いています。活動校の多くは農村部にあり、十分なインターネット環境がないため、多くの子どもたちは学校から出される課題プリントで勉強しています。「子供の森」計画では、132校を対象に、各校のニーズに合わせ、コピー用紙やインク、中 古プリンターなど、課題づくりに必要な資材支援を行い、厳しい環境でも懸命に学ぶ 子どもたち、そして膨大な課題づくりに奮闘する教師を支えました。

保護者による指導が難しい家庭には、教師が定期的に訪問して学習をサポート。 こうした課題づくりの資材や備品の支援に、各校より大きな感謝が寄せられている。
保護者による指導が難しい家庭には、教師が定期的に訪問して学習をサポート。 こうした課題づくりの資材や備品の支援に、各校より大きな感謝が寄せられている。

2021年

6月

01日

パンデミックと「子供の森」計画 inフィジー

コロトゴアンドラサンガム小学校では、休校中に学校菜園を地域に開放。子どもたちが保護者とともに、ココナツ、レタス、トマトなどを植栽し、管理を行った。
コロトゴアンドラサンガム小学校では、休校中に学校菜園を地域に開放。子どもたちが保護者とともに、ココナツ、レタス、トマトなどを植栽し、管理を行った。

今できる、今必要な植林活動

感染対策として、教育省が管轄する小・中学校は、20年3月下旬~6月下旬まで休校措置が取られました。学校再開後も、授業の遅れを取り戻すことが優先され、また外部者との接触を避けるため、課外活動は制限された状況が続きました。「子供の森」計画では、行政の許可が下りた一部の学校と地域を対象とした植林を展開。 困窮する人々の支えとなるよう、造林樹種だけでなく、 さまざまな恵みをもたらすココナツの植樹や、 サツマイモなど野菜の植え付けも地域の方々とともに、進めました。21年度 は、学校での活動が再び活発になることを願っています。

家で過ごす時間が多いなか、野外での植林活動はよい心身のリフレッシュにもなった。
家で過ごす時間が多いなか、野外での植林活動はよい心身のリフレッシュにもなった。