フィリピンにおける新型コロナウイルスに対する取り組み(8月7日時点)

フィリピンでは、都市部を中心に再度感染が広がっており(感染者数約11.9万人、死者数約2,150人 ※8月7日現在)、首都マニラ都市圏では、今月4日から再びロックダウンが導入されました。長期にわたる各種規制は、地方の経済へも深刻な打撃を与えており、学校も全国的に閉鎖された状態が続いています。こうした状況のなか、オイスカでは、植林地での植林・管理活動を少人数体制で継続しつつ、困窮する住民への食料支援など地域ニーズに即した支援活動や、感染拡大防止に向けた取り組みを進めています。 現地の活動の様子をスタッフからのメッセージと共にお伝えします。 

アブラ農林業研修センター所長 デルフィン・テソロ

いつも私たちの活動にご協力いただきありがとうございます。私たちの住むアブラ州では、感染自体は都市部ほど広がっていませんが、コロナ禍によって、日雇い労働で働く人々を中心に、失業者が増えています。生活にあえぐ人々を支えるため、私たちは、4月~6月にかけて研修センター周辺の50世帯に、米などの食料(米、塩、卵、野菜、缶詰等)やマスク、石鹸、またカカオやランブータンなど果物の苗木を配布しました。皆さまのサポートで、少しずつではありますが、地域の人々に、必要な支援を届けることができ、本当に嬉しく思います。

この危機が一刻も早く終息することを願いながら、できることを続けていきます。

皆さまもどうぞご健康で。我々に神様のご加護があることを祈っています。

ヌエバビスカヤ州「子供の森」計画コーディネーター ジョー・イルデフォンソ

日本でも大変な状況が続くなか、私たちのことを気にかけていただき、本当にありがとうございます。幸いヌエバビスカヤでは感染者は抑えられていますが、移動制限などによって経済的かつ精神的なダメージが拡がっています。私たちの活動もまだ思うように進みませんが、参加校を回り、植林地の管理を行っています。また、7月12日には、通信状況の問題によってオンライン学習が困難で、在宅学習の教材づくりが必要な「子供の森」計画参加校4校に対して、マスク、消毒液、石鹸、A4用紙、ペン、プリンターのインクなどを寄贈しました。引き続き、地域のニーズや状況に合った活動を続けていきたいと思います。皆さん一緒にこの困難を乗り越えましょう…!

パラワン州「子供の森」計画コーディネーター ノルマ・トゥンダン

いつも私たちの活動にご協力いただきありがとうございます。コロナ禍によって、パラワンも3月半ばから封鎖され、活動も思うように進まない状況が続いています。厳しい状況の中ですが、オイスカのスタッフとして、小規模な植林・育林活動や家庭菜園の普及活動、食事の支援など、今できることを少しずつ進めています。

食事の支援では、特に栄養失調の問題を抱える先住民族タグバヌア族の子どもたち(3~15歳)を対象に、シンプルですが栄養たっぷりのメニューを提供しました。子どもたちの満足した笑顔に、私たちも嬉しくなりました。今後も学校と連携して、子どもたちの在宅学習を支える支援を行いたいと考えています。

 

ケソン州サリアヤ町サンパロック

5月、ケソン州サリアヤ町サンパロックにて、村長と協議の元、特に生活に困窮し、栄養不足の子どもを抱える55世帯をヘルスワーカーと共に訪問。食料パックを配布するとともに、地域のヘルスワーカーに対しても、繰り返し使用できる布製マスクを50枚寄贈しました。

北カマリネス州カパロンガ

「子供の森」計画学校の教員を対象にした環境保全と感染症対策のセミナーを開催。またセミナーに参加した7校に対し、持ち運び可能な簡易手洗い装置を寄贈しました。

現地の状況と今後の取り組み

公立学校については、8月24日から新学期が始まることになりましたが、対面授業の再開は先送りにされており、在宅・遠隔授業が中心となるようです。地方においては通信状況や通信端末の普及が遅れており、オンラインでの遠隔授業は困難ですが、政府には通信端末を全児童生徒に用意する予算はなく、低所得層の大半はネットに接続できる環境にもないとみられます。このため、教員たちは、在宅学習用の教材づくりを進めていますが、資材が不足しており、広く支援を呼び掛けています。

 

このような状況に対して、オイスカでは、教材づくりに必要な資材や、感染症対策に必要な資材の支援を始めています。今後も各地域において、学校のニーズに即した支援や感染拡大防止に向けた啓発活動を順次進めていく予定です。

 

引き続き皆さまのご協力をどうぞよろしくお願い致します。

 

新型コロナウイルス対策緊急支援募金はコチラから

http://www.oisca.org/news/?p=13235