レンガの国

もったいない気もしますが、 資源の有効活用です
もったいない気もしますが、 資源の有効活用です

不思議な光景に出会いました。この写真を見て、何をしているところかわかる人は少ないでしょう。この大量のレンガ、写真中央の機械でこれから砕かれます。「せっかく焼いたレンガを、わざわざ機械で砕くの?」と私は状況が理解できずに、しばらく立ち止まって眺めていました。そして砕かれたレンガがセメントと混ぜられるのを見て、ようやく納得。実はこの砕きレンガは砂利の代わりだったのです。バングラデシュは、ガンジス川などの河川によって運ばれた砂が堆積したデルタ地帯が国土の大部分であり、そのため砂利が手に入らないのです。

砕かれたレンガ(見た目は砂利とほとんど同じですね)
砕かれたレンガ(見た目は砂利とほとんど同じですね)

そこで、建設資材として豊富に生産されるレンガの中から、出来の悪かったものは砕いて砂利の代わりにするというわけです。ちなみに機械が無い所では、しゃがんだ女性がハンマーでレンガを一つ一つ叩いて砕いていました。子ども連れでもできるということで女性たちの仕事になっているそうですが、なかなかの重労働です。著しく発展しているバングラデシュの建設ラッシュを支えるのは、砕きレンガとレンガを砕く女性たちだったのですね。